エイボンの書

クトゥルフ神話カルトブック エイボンの書クトゥルフ神話カルトブック エイボンの書
ロバート・M・プライス 坂本 雅之 中山 てい子

新紀元社 2008-06-27
売り上げランキング : 188125
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 どうも最近は本を読むペースが遅くていけない。もっとも、時間があったら小説書いてることが多いんだから無為に過ごしているわけではない、と思う。
 このエントリもちょっと悩んだ。このブログでは小説の感想はnovel、実用書など小説以外の感想はbookとカテゴライズしてるんですが、この本はそのどっちに当たるのは、判断に迷ったんですよね。
 この本はそもそも『クトゥルー神話』で時折扱われる架空の魔道書を、再現しようとした野心作の翻訳なんですが、この再現の参考にしたのがキリスト教やユダヤ教の聖典、聖書なんです。聖書は読んだことがある方はお分かりかと思いますが、聖者の起こした奇跡を紹介したりと物語をまとめた部分が多くなってます。本書もそれに習い、前半では魔道師エイボンが集めた話、続いてエイボン自身が体験した物語が収められています。この部分はいわゆる『クトゥルー神話』の短編集と形態としてはなんら変わりありません。
 一方、後半は邪神やその眷属らを従えたりすることができる呪文や文様などが掲載されてます。この部分はもちろんストーリーなどはありませんからあえて言うなら実用書(?)のジャンルになるでしょうか? まあこの「実用書」部分の実用性は(もちろん)ありませんから、今回はnovelのジャンルにしました。
 ただ読んだ感想としては、短編集を読んだというよりは実用書を眺めたような気分になりました。やはり後半に呪文などが並んでいると、そっちに感覚が引っ張られますね。面白かったというよりは、興味深かったといった感じですが。