逢魔が源内
逢魔ヶ源内 | |
菊地 秀行 角川書店 2004-07-31 売り上げランキング 68,572 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
菊地氏としては珍しい形式で書かれた小説でした。
いつもは巻末にまとめて一度だけ(まれに扉などにも書いてあることがありますが)、書かれていた「あとがき」が、本書では各章の冒頭に、それもけっこうな分量、掲載されているのです。その内容は担当編集者とのやり取りなんですが、面白いのはそれと本編が、ほとんどシームレスになっているといること。どこまでが小説の一部で、どこからが現実のやり取りかがわかりづらいのですが、もちろんこれは著者の意図したものでしょう。これが小説全体の雰囲気作りにも役立っていて、源内の妖しさや、摩訶不思議さを盛り上げているようにも感じられました。
できれば本書のような中短編ではなく、長編で読んでみたいですね。