<a href="http://www.uranus.dti.ne.jp/~beaker/blood/index.htm">吸血大殲 Blood Lust</a>

 今回はようやく、以前からやりたかったオンライン小説の紹介です。
 ざっと紹介すると、吸血鬼が急速にはびこる世界で、更に裏では吸血鬼の神を復活させようと暗躍する連中がいる。それを自主的だったり成り行きだったりと理由は様々だが、いくつかの勢力(といえないほど小さなものばかりだが)が阻止しようと、ある者は単独で、またある者は協力して吸血鬼や吸血鬼信奉者らに向かっていく。
 この小説の特徴の一つに、そのボリュームがあるでしょう。オンライン小説としてはどちらかと言えば長いほうだと思います。しかし適度に分割されて、更にそれらを4つの章にまとめてあるので、今日はここまで、みたいな読み方ができます。
 しかし、本当のこの小説の特徴は、本編に登場する多数のキャラクターにあるとわたしは思うのです。
 小説というのは、特に多くのオンライン小説では、よっぽどのきっかけでもないと、なかなか読みはじめてもらえません。ほとんどの場合、作者の傾向も、どんなストーリーなのかもわからないからです。しかしこの吸血大殲では読者を捕まえる必殺技のような手を使っています。それがキャラクターです。この小説では、その登場人物の多くを他の有名な作品、たとえばゲームであるとか小説、コミックなどから借りてきているのです。具体的にはゲームからは「月姫」「Phantom」「吸血殲鬼ヴェドゴニア」など。小説からは「ミッドナイト・ブルー」が、またコミックでは「ヘルシング」などといった、吸血鬼を取り扱ったものや、そうでないものなど、実に多くの作品が登場しています。これらを知っていれば楽しめるのはもちろんですが、知らなくても十分おもしろい物語となっています。実際、わたしは「Phantom」や「ヴェドゴニア」などは未プレイなんですが、それでも問題を感じることはありませんでした。
 ただ少し残念なのは、あまりに多くのキャラクターを出したため、読者は誰を中心に読み進めていけばいいのか、ややわかりづらいところはありますね。それでもバイオレンスの、パワフルな小説が好きであるなら、ぜひ一読をお勧めします。