秘宝迷宮 魔界都市ガイド鬼録

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菊地 秀行

実業之日本社 2006-12-08
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 <新宿>一のガイドこと外道棒八の活躍するシリーズも、4作目である。
 もっとも、やっぱり今作でもそれほど棒八自身は活躍しているように見えない・・・・・つーか、初っ端に魂抜かれるんだよね〜(^^; 以後、彼は魂のないまま、<区外>の民俗学者にして稀代のトレジャーハンターの血を引く美女とともに<新宿>に隠された宝を探す訳なんですが、ここにやっぱり邪魔な連中が絡んでくる。これが帯にも書かれているかのナチスを崇拝する狂信者たち。さらには宝のガード機能までもが関わってきて事態は混迷の中に、といった感じなんですが、今回もやっぱりこの人、話をきっちりまとめません。
 まず先述した棒八の魂。これがラストでも戻ってない。そのまま話が終わってる。いいのか?!
 ついで帯にでかでかと書かれている<新宿>に隠されているという『宝』の正体。これも謎のまま。
 でもいいんです(さっきと言ってることが違うなどと言ってはいけない。いいね?)これがこの菊地秀行という人の小説なんです。それが嫌だ、きっちりさせろというのであれば、他の方の小説をお読みください。
 でも現実ではこんなふうにきっちり決着が付くことのほうが珍しいんではないでしょうか。そういう意味ではこういう形態もそんなに不自然な形ではないのかもしれません。