機動戦士Zガンダム外伝　ティターンズの旗のもとに advance･of･Z

機動戦士Zガンダム外伝　ティターンズの旗のもとに上巻アドバンス・オブ・Z
富野由悠季矢立肇

メディアワークス 2008-03
売り上げランキング : 139696
おすすめ平均

機動戦士Zガンダム外伝　ティターンズの旗のもとに下巻アドバンス・オブ・Z
富野由悠季矢立肇

メディアワークス 2008-03
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おすすめ平均

　模型誌「電撃ホビーマガジン」で連載されていたオリジナルフォトストーリーの小説部分のみをまとめたものです。が、わたしが連載をほとんどチェックしていなかったために、連載時と同じかどうかはわかりません。連載時は法廷部分なんかあったかなあ？
　小説は今野敏さんが担当されてるんで、さすがというか当然というか、読ませます。連載時はそんなこともチェックしてなかった･･････。というのも、このAOZという企画は、わたしの様なガンダム好きの模型好きなら思い浮かべるであろう「ガンダム･センチネル」とダブってくるんですね。正直な話、設定や作例(模型)のレベルはセンチネルのほうが数段上です。設定はまあ、アプローチが違うといえば違うんで、一概にどちらが上とは言えないかもしれませんが、作例とそれを用いた特撮写真については圧倒的にセンチネルのほうが完成度は高いと思います。しかしわたしは当時リアルタイムでセンチネルを見ていましたが、小説はほとんど読んでいませんでした。理由は簡単。読むに耐えない文章だったためです。センチネルはわかりにくいとか難しいと当時言われたうちの何割かは、あの小説のせいだと思います。話が少々それましたが、そんな経験があったんで、読む前からこのAOZの小説もたいしたことないだろうと思ってました。
　しかし先ほど完結し、ラストのムック(Vol.6)が出て、そこに載っているTR-6ウーントウォードを見て、これはいったいどういうMSなんだ？　という疑問が当然わいてきて、「これは最初っから読むか」とムックを引っ張り出しかけてたところ、書店でこれが並んでいるのを見かけ、あわててこっちを買ったんです。
　結論から言うと、この単行本で読んだほうがわかりやすいと思います。何よりまとめて一気に読める。ガンダム小説のほとんどが戦記物であるのに対し、これは法廷サスペンスに近いものとなっています。法廷といっても普通の裁判ではなく軍事裁判なので、一般の法廷サスペンスとはだいぶ違うとは思いますが、それでも今までのガンダム小説の中では異色の存在だと思います。
　本編は軍事裁判に臨む元ティターンズのMSパイロット、エリアルド･マーフィーと彼の無実を信じ弁護する法務官コンラッド･モリスが法廷を戦う姿と、かつてエリアルドが所属していたティターンズの部隊がどのような活動を行ってきたのかを、視点を切り替えつつ裁判の進行に合わせて語られます。そのため法廷サスペンスでありながら非常にわかりやすい構成になっており、大変読みやすかったです。
　惜しむらくは、メカマニアを自認するわたしとしてはTR-6がもっと本編でも活躍して欲しかったかなあと。でも小説としてもかなり読み応えのある一冊（上下巻ですが）でした。オススメ！
　ついでなんで、ムックを下に紹介しておきます。