騙し屋ジョニー 魔界都市〈<a class="okeyword" href="g:mokei:keyword:新宿">新宿</a>〉

騙し屋ジョニー 魔界都市〈新宿〉 (ソノラマノベルス) (ソノラマノベルス)騙し屋ジョニー 魔界都市〈新宿〉 (ソノラマノベルス) (ソノラマノベルス)
菊地 秀行

朝日新聞社 2008-03-21
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 書店で最初これを見たとき、「ああ、またブルースの新刊が出たのか」と思ってしまいました、不覚にも。まさかあの新作が出るとは思ってなかったもので。
 理解できない方のために書きますと、菊地氏の作品群というのは、大きく二つの世界で書かれています。ひとつは近未来の東京を始めとする日本。もう一つはご存知「魔界都市新宿>」の存在する日本。前者の例が「妖獣」シリーズや「闇ガード」シリーズ。後者は「魔界都市ブルース」、「メフィスト」などなど。で、本書は後者になる・・・・・・かというと、実は厳密にはこの作品群には入らないんですよね。
 そもそもは氏のデビュー作「魔界都市新宿>」から始まった高校生十六夜京也の冒険活劇は、後の<新宿>シリーズの土台にはなりましたが(メフィストも登場してるし)、世界設定がちょっと異なるんですよね。ですから十六夜京也の活躍する物語はこれまでに2冊しか出ていません。前述の「魔界都市新宿>」と「魔宮バビロン」のみです。したがって本書は3冊目となるんですが・・・・・・読んでいてなんか違和感が。
 「京也って、こんな性格だったっけ?」
 いや、わたしも魔宮バビロン以来なんで、はっきりと覚えているわけではないんですが、なんかずいぶんひねくれてるような。
 と思ってたらあとがきで作者自身書いてらっしゃいますね。
 とにかく今回はストーリーに絡んでくるキャラクターが多いです。タイトルになってる「騙し屋ジョニー」はほんとにそのうちの一人に過ぎません。おまけに見た目で判別できない(体を持たない)キャラも二人、出てくるんでややこしいったらない。
 しかしなんと行っても本書で一番の見所はさやかの何気ない言動でしょうかね。ほんとに何気ないかどうかは怪しいんですが。