妖獣都市 黒天使

妖獣都市黒天使 (TOKUMA NOVELS 闇ガードシリーズ) 菊地 秀行 徳間書店 2008-06 売り上げランキング : 12502 Amazonで詳しく見る by G-Tools

　妖獣都市、つまり「闇ガード」シリーズの新作なんですが、相変わらずあの夫婦は出てきません。というか、このところのこのシリーズって新しい闇ガードばっかり出てきてる気がするけど･･････。あの夫婦の話が読みたいなあ。子供のほうでもいいから。
　しかし今回はいつもの「闇ガード」とは展開が違います。とある人物（主人公）が闇ガードなんですが（つまり『こちら側』）、この人、まだ自分が闇ガードであるということに気がついていません。っていうか闇ガードってこういうふうになるんだ。わたしはてっきり組織が素質のある人物をスカウトして教育、訓練して一人前の闇ガードにするもんかと思ってましたよ。
　話がそれましたが、その主人公が女子高生という、氏の作品としてはかなり珍しい設定で始まります。読んでいてこのほかにも、今までの闇ガードシリーズでは戦う場合、その近辺を封鎖したりして極力表沙汰になるのを避けていたように思うんですが、今回はその辺まったくお構いなし。人前でやっても「後で組織の処理班が始末する」で片付けてしまいます。
　菊地氏の中でも異色の一冊といえるかもしれません。