深海のYrr
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読み終わってからちょっと間が開いてしまいましたが。
文庫でもかなり分厚い、さらには3分冊とそうとうのボリュームなんですが、割と一気に読めます。内容的にも面白いですし、かなり専門的なところも多いんですが、それを意識させず、うまく物語内で説明しているのでわからなくても引っかかる部分は少ないかと。世界各地で次々と起こる事件にそれらが関係するのか、あるいは無関係なのか。関係あるとしてそれは自然災害なのか、それともテロなのか。さまざまな立場の人間が事件に関わり、それぞれの思惑も巻き込んでさらに事態は複雑化していきます。
前述したように面白いんです。理系ノベルとしてかなり高水準だと思います。翻訳物でここまで面白いのはすごいなと思いました。ただ、展開が遅い。びっくりするくらい遅い。
上巻では結局、これらの事件の原因は何なのか、まったくわからないままでした。中巻でやっと「Yrr(イール)」という存在を仮定すれば、という段階。下巻の半ばくらいでやっとYrrを特定できたけど、結局コンタクトが取れて、Yrrがどういう存在なのかがわかった程度で、どうすれば事件が解決できるのか明確にはわからないまま、とにかく切羽詰った状況になって思いついた方法をやってみたらなんか沈静化した、みたいな、非常に後味の悪い終わり方になっています。
とにかく、タイトルにもなっている「Yrr」が何なのか、明確には説明がされず、さらには何故この事件が起こり、沈静化したのか明確な説明がなく、その点がかなり不満ですねえ。この内容なら、「ソリトンの悪魔」のほうが完成度は高いと思います。スケールはやや小さくなりますけど。
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