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流れ星一つ

 先日、作家栗本薫氏が亡くなられました。わたしは乳癌を患っているのは知っていたのですが、その後復帰して続々と新作を発表されたいたので、もう完治したのだと思い、再び癌と戦っていたことはまるで知りませんでしたので、その日のTwitterでこのことを知り、大変驚きました。
 わたしは正直なとこ、氏の作品はほとんど読んでいません。何冊かは読んだのですが、どうも肌に合わず、読み続けるというほどにはなりませんでした。(余談ですがわたしの好きな菊池秀行氏があまり栗本氏と仲がよくないというのも、どっかで引っかかっているのかもしれません)
 それでも、わたしの本棚には氏の本が大切に保管されています。「小説道場」世に数多く出版されている小説の書き方の中でも、ここまで実践的なものはそう多くはないだろうと思われる本です。この本が他と違うのは、小説の書き方を手取足取り親切に教えるのではなく、投稿されてきた小説を添削する、それもできの悪い作品にはけちょんけちょんにけなすというかなり変わった形式をしている点だと思う。そもそもこの本は雑誌JUNE(大JUNEだったか小JUNEだったかは失念しました。申し訳ない)に連載されていた1コーナーをまとめた本で、したがって送られてくる作品はすべからくそういった作品であるわけで、その辺が気になる方は受け付けないでしょうけど、ここから小説家として大成された方もいらっしゃいますし、書かれている内容はかなり的確かと思います。わたしはこの本を読んで、小説に対する姿勢がわかった気がします。今、小説などを書かれていて、もうワンランク上を目指したい方にはお勧めできる本ですね。逆にこれから小説を書こうとしている方にはこの本は向いてないと思います。基本的なことなどは一切書かれていませんから。
 この本ぐらいしか氏とは接点を持ちませんでしたが、それでもこの国の小説界に与える影響は少なくないと思います。くしくもあのライフワーク、「グイン・サーガ」のTVシリーズ放送中というこの時期に亡くなられたのも、ある意味、運命だったのかとも思います。
 お疲れ様でした。ゆっくりお休みください。