吸血鬼ドラキュラ

吸血鬼ドラキュラ 菊地 秀行, ブラム ストーカー, Bram Stoker 発売日　2004/09 売り上げランキング　9,733 Amazonで詳しく見る

あの、菊地秀行氏のドラキュラです。
わたしはブラム　ストーカー版（平井氏訳）も読んでおり、そちらもなかなかに楽しめたのですが、今回の菊地版は、同じ物語でありながら、そうとうに趣の違うものに仕上がっています。
平井訳版が重厚な、どちらかといえばゴシックホラー的であったのに対し、菊地版はキャラクターに手を入れることによって際立たせ、よりエンターテインメント性を強調したようにわたしには感じられました。ただし、いつもの菊地節（笑）を期待して読むと、多少違和感を感じられるかもしれません。これは氏の完全オリジナルではなく、翻案とはなっているものの、やはりそう大きくストーカーのオリジナルを無視する訳にはいかないので、致し方のないところでしょう。
しかそれでもアクションやホラーの部分では氏の本分とばかり、熱の入った、読みごたえのあるシーンが続き、さすがだなと思わせます。
もしチャンスがあるようでしたら、どちらかだけではなく、ぜひ両方を読むことをお薦めします。
ということで、平井呈一氏訳版もご紹介しておきます。

吸血鬼ドラキュラ ブラム・ストーカー ， 平井 呈一 発売日　1971/04 売り上げランキング　8,566 Amazonで詳しく見る