邪界戦線

邪界戦線 (ノン・ノベル 860 魔界都市アラベスク)邪界戦線 (ノン・ノベル 860 魔界都市アラベスク)
菊地 秀行

祥伝社 2009-02-05
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 シリーズ名は「魔界都市アラベスク」。また新しい<魔界都市>ですかと言いたくなるような。<ノワール>もほとんど話を展開していないのに。もっとも、<魔界都市>シリーズで面白いなと思えるのは本家<ブルース>と<魔界医師>ぐらいかも。あ、<魔界医師>は正確には<魔界都市>シリーズじゃなかったっけ? それでもこれもここしばらくは新しいのは出ていませんが。
 で、本書なんですが、読んだ感想は「魔界都市らしくない」。確かに奇妙な敵(?)は襲ってくるし、またぞろ米軍が軍事力を背景に介入したりしますが、どうも、わたしにはそれらがごく普通の街角、あるいは「立地は普通の家」で繰り広げられているような感じがしてなりませんでした。要するに<魔界都市>でなくてもこの本は成立したんじゃないか、と思えるんです。唯一違うのはメフィストが登場するくらいでしょうか。でもこの部分も他に置き換えはきくような気はします。