天使と悪魔

 なんかこのところ体調不良で、なかなか集中してPCの前とかに座ってられないおかげで、ブログのネタがたまってきた(^^;
 ということで「天使と悪魔」です。今更説明の必要もないかも知れませんが、Webでパラパラと見ると映画の影響のせいか、これがラングドン教授のシリーズ(シリーズタイトルあるの?)の2作目だと思ってるからもいらっしゃるかと思いますが、こっちが先ですので、その辺勘違いなさらないよう。もっとも、だからといって読む上で何か問題があるわけでもないんですけどね。むしろ「ダ・ヴィンチ コード」のほうが問題ある気がしますけど、まあいいや。
 面白いことに物語冒頭の構造はダ・ヴィンチ・コードとよく似ています。わたしはこのダン・ブラウン氏の作品は他に読んでない気がするので断言はできませんが、もうちょっと工夫が欲しいかも。ただ読者を物語の中に引きずり込むには効果的な方法だと思います。小説は出だしが最初の勝負どころですから。
 しかしここからあとはしばらくは苦笑続きでしたね。X33とか反物質だとか、どこの三流SFだよと思いました。反物質は物語のキーに深く関係するのですがそれにしてももうちょっと現実味のあるというか、地に足がついた話にして欲しかった。
 ストーリーの展開は流石の一言ですね。読者を飽きさせない、軽妙な語り口で次々とシーンが進んで行くのは読んでいて楽しいです、やっぱり。キャラの造形もよく出来ているし。あ、ただラングドン教授はちょっとスーパーマンすぎると思う。かなりご都合主義が入っているのが目につきますね。特にローマ市内を駆け回っているシーンでは「それはないだろう!」的なシーンが複数ありました。
 また逆転に次ぐ逆転と、刻々と目の前に提示される情報、そしてそこから想像される犯人の正体には翻弄されました。ラストに事件のすべてがわかったあとで、さらにそれらを全部ひっくり返すような重大事項が明らかとなり、関係者一同(まさに一同)が呆然とするシーンは、わたしも愕然としました。
 帯の「ガリレオの秘密結社」っていうのは、「ダ・ヴィンチ〜」の影響でしょうけど、無理矢理感が強いなあ。
 気になるなら読んどいて損はありません。十分に面白いです。ただ冒頭の「ここに描かれてる〜」は、あんまり鵜呑みにしない方がいいと思う(^^;