機龍警察

機龍警察(ハヤカワ文庫JA)
機龍警察(ハヤカワ文庫JA) 月村 了衛

早川書房 2010-03-19
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 たまたまこの本は書店で見かけて、裏表紙の解説を読んで興味を惹かれたので買ったのですが、その時は正直なところ、「パトレイバー」みたいなライトな感じを予想していました。

 しかし実際に読んでみるととんでもない。非常にハードな内容で主人公らの所属する警視庁特捜部そのものが警察内でも敵視に近い扱いを受けているほか、警察内部での政治的争いなども盛り込まれており、読み応えのある内容となっています。もちろん事件の描写や捜査の状況、特に捜索会議は見所の一つと言っていいでしょう。

 一方、わたしがこの本を買うきっかけになったロボットはというと、これが犯罪と戦争(回想シーンで出てくる)でしか登場せず、警察ですら主人公らの乗る龍騎兵以外は採用していないようで、この辺はちょっとロボットの立ち位置の設定に問題がある気はしました。特に時代設定がごく近未来となっているっぽいので、ロボットがいきなり現実世界にぽんと放り出されているようで残念です。

 それ以外はキャラクターの造形も素晴らしいですし、ストーリーもよくできている。おすすめの一冊です。