ケータイ<a class="okeyword" href="g:book:keyword:小説">小説</a>のリアル

ケータイ小説のリアル (中公新書ラクレ 279)ケータイ小説のリアル (中公新書ラクレ 279)
杉浦 由美子

中央公論新社 2008-05-08
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 ちょっと必要性に駆られて、読みました。先に言っちゃうと、そのわたしの目的にはこの本は足らなかったのですが、内容的には気になることがあったので、書いておきます。
 結構この本はあちこちで語られており、また同様に「ケータイ小説」そのものもいろんな方が論じてるんですが、ここでは話が大きくなっちゃうんでこの本『ケータイ小説のリアル』に絞っていきます。
 この本は「恋空」や「Deep Love」などのケータイ小説について書かれていますが、個人的にはずいぶん偏った主観で書かれてるように感じました。『ケータイ小説=10代20代女子のもの』という前提ありきで論が展開されてるような、そんな気がしたんです。
 もちろんわたしにそれを否定できるだけの証拠も何もないんですが、そもそもわたしがこの本を読むきっかけになったこと(最近チョコチョコ書いてる、後ろでごそごそやってること。もうちょっとしたら公表できると思います)を考えても、その前提はちょっとおかしいんじゃないかなあと。10代20代の女子がメインストリームなことは認めますが、その他については見事なまでに無視されてるこの書き方は、いくらなんでもちょっと乱暴すぎないかなあと思うんです。
 ただ書かれていること自体はそのとおりじゃないかなとは思います。文芸を押しのけてケータイ小説が中心になることもないだろうし、かといってこの先ケータイ小説がなくなるとも思わないし。
 あと、あちこちでこの本の「リアル」についての解釈がいろいろされていますが、それは読んだ人それぞれが読み取ればいいんじゃないかと。とりあえずわたしは一度ケータイ小説を読んでみたほうがいいだろうなあ。