スカイ・クロラ
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視界には、どこまでも澄み切った空と、眼下に果てしなく広がる真っ白な雲海。背後からは軽快なエンジンの振動が心地よく響き、自分が「仕事」で飛んでいるんだということを忘れそうにさせる・・・・・・。
ずいぶん以前から気にはしていた、森氏の趣味全開のSFを、やっと読みました。といってもφは壊れたねと一緒に買っていた文庫版なんですが。上での紹介は、絵面上、こっちのほうが見栄えがいいんでノベルズ版を紹介しています。
しかしここまでSFらしくなく、かつSFでしかありえないという作品も珍しいのではないでしょうか。
作中では一応戦争を扱っているのですが、いわゆる戦闘シーンというのはとても少なく、それだけでなく日常の描写も、普通、小説ならもうちょっと書き込むだろうと思うのに、それすらも極限まで削り込まれています。
そう、この小説は『言葉』をぎりぎりまで削りこみ、本当に純粋な、きれいな文章で書かれた物語でした。そのせいで人によっては解釈に違いが出たり、好き嫌いが発生したりするかもしれませんが、ホント、一度読んでみることをお勧めします。
また、今年はあの押井守監督で劇場版アニメになるそうなんで、それと比べてみるもの、また一興かと。