災神
災神 | |
江島 周 KADOKAWA 2017-06-01 売り上げランキング : 136026 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この本は本屋でたまたま見かけて買った……んだったかな? いや、一度本屋で見かけて、その時は買わなかったけど、あとで気になったんで取り寄せて買ったんだ。
やや大きめの版ですが、文章は軽い感じでサクッと読めます。つーか後半はほぼ一気読みしました。そのくらい読みやすいですし、ぐいぐい引っ張る力もあります。ただちょっと全体に文章が軽いかな? ノリはほとんどライトノベルです。
話は山陰の出雲で一夜にして市街地が壊滅し、調査に入った自衛隊が……といった感じの導入で次々と正体不明の怪物が襲い来る中、人々が必死に生き残りを図る様を描いています。
少し残念なのは、章ごとに視点がザッピングしてるんですよね。これ、必要以上に文章全体が軽くなる傾向があるように思う。ラノベ感はここからも来てるかと。でも面白い物語ではあるので、気になった方は一読をお勧めします。
無限の住人 刃獣異聞
小説 無限の住人 刃獣異聞 (KCノベルス) | |
大迫 純一 沙村 広明 講談社 2008-07-19 売り上げランキング : 280219 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これは、買ってからずいぶん長い間、ほったらかしになっていた本です(^_^; 故に既に入手困難になってるかも(^_^;
原作のコミックスは最後まで読んでかなり好きで、その小説ならと買ったのですが……。内容はコミックスのいずれかのエピソードを拾い上げたものとか、あるいはコミックスで描かれていない間のエピソードというのではなく、全くの小説オリジナルのエピソードです。これは編集者からの指示だったようですが、うーん、どうなんだろう? そんなわけで、この小説とコミックスでは整合性がありません。それでも別に構わないというのであれば……いや、それでも厳しいかなあ?
オリジナルのキャラが出てくるんですが、これがえらいヤツで、いくらバケモノ揃いのむげにんの世界でもちょっとどうよ? って思ってしまうような存在で、作者はどこまで原作コミックを理解してるんだろう? と疑問を持ってしまいます。
まあ既に入手困難なんで、わざわざ探してまで読むことはないかなと(^_^;
山怪
山怪 山人が語る不思議な話 | |
田中康弘 山と渓谷社 2015-06-06 売り上げランキング : 7089 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この本、発売当初は買うつもりはほとんどなかったんですよ。ところが頻繁に新聞に広告が出たりあまり間を開けずに弐巻が出たり、割とよく見かけるんで、何となく買ってみました。
内容は猟師や林業関係者、山間部にお住まいの方など所謂山と日常的に接してらっしゃる方から聞き集めた、ちょっと変わった話や妙な体験などの奇談をかなりの本数収録されています。ただそれほど怖い話というのは多くはないので、怪談集みたいなものを期待されている場合はちょっと違うかな? と思います。
割とサクッと読めるので、暇つぶしにはいいかも。良くも悪くも、装丁ほど重い本ではないです。
虐殺器官
虐殺器官 [Blu-ray] | |
伊藤計劃 アニプレックス 2017-10-25 売り上げランキング : 492 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
で、エントリがずいぶん溜まっているわけで、これを劇場で見たのは2月11日だったりするわけですよ。もう今月末にはBD/DVDが出るっていうのに。
もともとはProjectItohの映像化第2弾として劇場公開されるはずだったのが、公開直前になんと製作スタジオが倒産するという前代未聞の事態になって、公開は無期限延期。一時はお蔵入りも噂されましたが、なんとかもともとのスタッフがほぼそのままスライドするような形で新しいスタジオを立ち上げ、1年ほど遅れて公開となりました。
さて、映画ですがスタイリッシュな画面で、近未来感がよく出ていると思います。原作がかなりサイバーパンクな感じですので、それをアニメにするのは、簡単なようでうっかりすると安っぽいものになりがちなのですが、この作品ではそんなことはないです。ストーリーも尺にあわせる関係で端折られてはいますが、映画として問題なくまとめられていると思います。
ただ唯一、ラストシーンは原作とずいぶんテイストが変わってるように感じました。ここは『虐殺器官』のタイトルの肝だと思っていたので、その辺はどうなんだろう?とは思いましたが。
屍者たちの帝国
書き下ろし日本SFコレクション NOVA+:屍者たちの帝国 (河出文庫) | |
大森 望 河出書房新社 2015-10-03 売り上げランキング : 248646 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
……えらい間が開いてしまったな。すいません。できるだけこれからはサボらないようにしますm(__)m
で、「屍者たちの帝国」ですが、伊藤計劃・円城塔両氏の「屍者の帝国」を元にしたシェアードワールドの短編集です。
収録されている作品は基本的にかなりレベルの高いものになっているので、安心して読んでもらったらいいと思います。ただ「屍者の帝国」を読んでいないとかなりわかりづらい内容ばかりだと思いますので、あらかじめ読んでおくことをおすすめします。あ、アニメ版でもだいたいわかると思いますが、小説のほうがよりわかりやすいと思います。
でもそんな中でも、宮部みゆきさんは一人、異彩を放っているなあ。
あと、この本に収録されている円城塔氏へのインタビューで、わたしが「屍者の帝国」に抱いていた疑問の一部が氷解しました。そうか、円城氏は生前の伊藤計劃氏と交流があったんだ……。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF) | |
ピーター トライアス 中原 尚哉 早川書房 2016-10-21 売り上げランキング : 47749 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下 (ハヤカワ文庫SF) | |
ピーター トライアス 中原 尚哉 早川書房 2016-10-21 売り上げランキング : 48655 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これもずいぶん前に読んだ本なんですが、上げ忘れていました。他にも結構な数を上げ忘れてるんですが……(^_^;
この本は新聞などで出版された当時、結構あちこちで取り上げられていて気になったので購入したという、わたしとしては珍しい理由で買ってきました。
読んだらまあ、面白かったですよ。よく引き合いに出される「高い城の男」はわたしは読んだことないのですが、第二次世界大戦で日本やドイツ側が勝利していたらというif世界線上の物語としては、よく書けていると思います。ところどころ、書き方に疑問を感じないわけではありませんが(^_^;でもクジラと子クジラに関しては……まあいいか。
興味があったら読んでみることをおすすめしますが、もしかしたらもう取り寄せないと店頭にはないかも。